土砂災害警戒情報は、大雨により土砂災害の危険度が高まった市町村を特定し、鳥取県と鳥取地方気象台が共同して発表する情報。市町村長が避難指示等の発令をする際の判断や、住民の自主避難の判断等に利用できることを目的としています。
土砂災害危険度情報は、土砂災害警戒情報を補足するため、地域の詳細な土砂災害発生の危険度を提供する情報。予測雨量等から土砂災害の危険度を1km四方の格子に分けて、4段階(注意、警戒、危険、災害切迫)のランクで表示します。
土石流、がけ崩れ、地すべりなどの土砂移動を伴う災害。
雨や雪どけ水、地震などの影響によって、急激に斜面が崩れ落ちる現象。
雨で地中にしみ込んだ水分が土の抵抗力を弱め斜面が突然崩れ落ちる現象で、一瞬のうちに起こることが多いため、家屋が破壊され、人命が失われることの多い災害です。
山や川の石や土砂が大雨などにより水と一緒になって激しく流れる現象。
大量の土・石・砂などが集中豪雨などの大量の水と混じりあって、猛烈な勢いで流れ落ちてくる現象です。
雨や雪どけ水が地下にしみこみ、断続的に斜面が滑り出す現象。
粘土などのすべりやすい層を境に、その地面がそっくりズルズル動き出す現象で、地割れで田畑や家が壊され、押し出された土砂や地面の移動のために、道路や建物が広い範囲で被害を受ける。
一般的には、降雨、融雪による地下水の上昇や地震・火山活動による斜面形状の変化、あるいは人為的な改変などをきっかけに斜面上の物質が不安定化して発生する。
急傾斜地の崩壊などが発生した場合に、住民等の生命又は身体に危害が生ずるおそれがあると認められる区域であり、危険の周知、警戒避難体制の整備が行われます。
急傾斜地の崩壊等が発生した場合に、建築物に損壊が生じ、住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれのあると認められる区域で、特定の開発行為に対する許可制、建築物の構造規制等が行われます。
土砂災害危険箇所とは、土石流危険渓流、急傾斜地崩壊危険箇所、地すべり危険箇所の総称です。
土砂災害危険箇所は、土砂災害危険箇所調査要領(※)に基づいて調査し、その結果、鳥取県内で6168箇所の土砂災害危険箇所を公表しています。土砂災害危険箇所は、過去の土砂災害の実績等から得られた知見を基に調査方法を決めたものです。しかしながら,この範囲を正確に想定することは現状では非常に困難であり,土砂災害が発生した場合,この範囲を超えて被害がおよぶ場合もあります。
土砂災害危険箇所は,県民のみなさんが身近にある「土砂災害発生の危険性がある箇所」を確認し,土砂災害への備えや警戒避難に役立てていただくために公表しているもので,これは法的規制はなく,土砂災害防止法に基づく区域ではありません。
(※)
土石流危険渓流:土石流危険渓流及び土石流危険渓流調査要領(案),平成11年4月,建設省河川局砂防部
急傾斜地崩壊危険箇所:急傾斜地崩壊危険箇所点検要領,平成11年11月,建設省河川局砂防部傾斜地保全課
地すべり危険箇所:地すべり危険箇所調査要領,平成3年3月,建設省河川局砂防部傾斜地保全課
(1)土石流危険渓流 平成14年度公表
(2)急傾斜地崩壊危険箇所 平成14年度公表
(3)地すべり危険箇所 平成10年度公表
土砂災害の前に、発生する渓流や斜面などの日常とは異なる次のような前兆現象(まえぶれ)があるといわれています。
降雨による土砂災害発生の危険性を判断するため、定めた雨量のこと。設定手法には様々な方法があるが、鳥取県では連携案方式(*)を採用している。(*:国土交通省河川局砂防部と気象庁予報部の連携による土砂災害警戒避難基準雨量の設定手法案(平成17年6月、国土交通省河川局砂防部 気象庁予報部 国土交通省国土技術政策総合研究所))
土砂災害警戒避難基準雨量の設定において、土砂災害が発生しやすい降雨水準である領域と土砂災害が発生しにくい領域を分けるため設定する線のこと。鳥取県で採用する連携案においても対象とする土砂災害を補足可能な降雨水準を目安に土砂災害発生基準線を設定している。
気象庁で採用している土砂災害発生の危険性を判断するための降雨指標のこと。「実際降っている雨量の解析値」を基に、「川などへ流出した量とさらに深い地下へ浸透した量」を引いた雨量をモデル化し、各タンクの貯留量の合計を「土壌雨量指数」として作成している。数値が大きいほど土砂災害や洪水など大雨による災害発生の可能性が高くなる。土砂災害警戒情報発表の監視にも使用している。
国土交通省と気象庁が全国に設置しているレーダー、アメダス等の地上の雨量計を組み合わせて、降水量分布を1km四方の細かさで解析した平面的な雨量情報。土砂災害警戒情報発表の監視に使用しています。
10分雨量値を60分換算した平面的な雨量情報。
24時間前から現在までの雨量を積算した平面的な雨量情報。
高頻度、高分解能でリアルタイムに配信される平面的な雨量情報。観測範囲の広いCバンド(5GHz帯)レーダ雨量計と、弱~強雨量観測が得意なXバンド(9GHz帯)レーダ雨量計により、降雨状況をリアルタイムで面的に把握することができます。